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ストーマといっしょの生活
ストーマとともに!










ストーマとともに!


西村 元一 (金沢赤十字病院 副院長)

1.ストーマが必要、もしくはストーマがつくかもしれないと言われた場合・・・
ストーマという言葉は患者さんにとって医療者が考えている以上に大きな意味を持っているものと思います。

最近は技術の進歩もありストーマをつけなくてもいい場合が増えました。しかしながらギリギリの場合は肛門を残すか、ストーマにするか非常に大きな選択を迫られます。医療者側にとってただ単に「できるから肛門を残す」という考え方は危険です。肛門を残した方がかえって頻便、便が堪えられないなどの不都合でQOLが損なわれてしまった患者さんも少なくありません。後日ストーマを作製して「やっと人並みに外出できるようになった」と言われた患者さんの声は今も頭のどこかに残っています。

もし、ぎりぎりの病態でストーマがつくかもしれないと言われた場合は、ストーマの状態と肛門を残した場合のどちらのQOLがいいかしっかりと聞くことが重要だと思います。特にがんの場合は"がんを治す"というもう一つの目的が加わりますのでしっかりと尋ねましょう。
ただしストーマに関しては医療者側の経験ということが非常に重要です。手術のみならず術後のバックアップ体制(ストーマ外来など)もしっかりと視野に入れて治療をうける病院を決めるべきです。
2.ストーマがついてから
健康な時と比較するとストーマがある状態はいろいろ制約があると思いますが、ストーマをつけるようになった病気の問題ならびに肛門を残した状態の不便さと比較すると、決して悪いばかりでありません。いろいろ専門家のアドバイスに耳を傾けながらポジティブに考えて生活をしましょう。

特に重要なことはストーマの装具選びです。装具に身体やストーマを合わせるのではなく、身体やストーマに装具を合わせるべきです。また生活環境も考慮する必要があります。しっかりと話し合った上で装具を選択する必要があります。そして手術後の経過にともなって身体の状況(皮下脂肪の具合やおなかの皺の状態)が変化します。そのため定期的にストーマ外来などで装具をチェックしてもらうことが重要です。

ストーマケアに関してはみなさんいろいろな工夫をされています。市販されているストーマ用具だけではなく様々な日常の道具を便利に使われています。ストーマ外来やブーケなどを通じていろいろな情報を得て、自分なりにためしてみることもいいと思います。

いずれにせよ少しでもおかしいと思った場合やいろいろな悩みに関しては早めにストーマ外来やブーケなど患者会に相談された方がいいと思います。
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